あらゆる悩みを解決する鍵は「無駄な反応」を辞めること【草薙龍瞬 反応しない練習】
「あらゆる悩みを解決する方法がある」と聞くと、どう思うだろうか。
少し胡散臭いと思う人もいるかもしれない。
ブッダの教えを用いて、「心の反応」に焦点を合わせて、現代のあらゆる悩みを解決する方法を説くのが本書、草薙龍瞬さんの「反応しない練習」だ。
内容をかいつまんで言えば、実は悩みを作り出しているのは、自分自身の心の反応であって、無駄な反応を辞めると悩みがなくなっていくというものである。
そのための考え方や、実践するための具体的な方法が本書に記されている。
もちろん、「悩みが全くない状態」になるのは正直難しい。
しかし、自分にできることから実践していくことで、今よりも楽に生きることが必ずできる。
私もこの本に感銘を受け、少しずつ実践していった結果、以下のような効果を感じている。
・以前よりも自分を肯定できるようになった
・妄想にとらわれている最中に、その状態に気づけることが増えた
・他人と比較し、他人を羨むことが減った
・他人の目を気にして、自分のやるべきことがおそろかになることが減った
個人的に重要だと感じた部分をまとめが、これ以外にも重要な部分はたくさんあって、どの部分が刺さるかは人それぞれ。
気になった方はこの本を読んで、少しでも心の反応を減らしてみてほしい。
本書はこんな人におすすめ
- 自己肯定感が低い。自分を好きになりたい。
- 周囲の人の嫌な所が気になって腹が立つ
- 周囲からの目が気になってしょうがない。楽に生きたい。
あらゆる悩みは心の反応が作り出している
あらゆる事象に善悪はなく、それらに反応する心があらゆる悩みを作り出している。
「無駄な反応をしない」ことで、人生における悩みを解決できる。
反応を作り出している真の理由は、求める心。生存欲、睡眠欲、食欲、性欲、怠惰欲、歓楽欲、承認浴。
そもそも心は求めて乾き続けるもの。これを理解するだけで、悩みの多くは解決する。
無駄な反応を鎮める方法
- 言葉で理解する
自分の心の状態や体の動作を客観的に言葉で確かめる(ラベリング) - 感覚を意識する
体を動かしているときや、呼吸をするときなどに感覚を感じ取る。マインドフルネスなど。 - 分類する
貪欲(過剰な要求)、怒り(不平・不満)、妄想(想像・考え・記憶)
自分がこれらの状態になっていると気づくことが大事
判断をやめて正しい理解へ
判断とは、正しさや意味、評価などの決めつけや思い込み。優劣や成否、好みなど。また一方的な期待や要求など。不安、落胆など。妄想の一種。
人はなぜ判断をしてしまうのか。それは、「判断することが気持ちいい」ということと、「自分が正しいと思える承認欲求が満たされる」から。
判断は、頭の中にしか存在しない「妄想」である。真実でもないし、有益でもない。
正しい理解とは、自分の判断や解釈をすべて差し引いてありのまま、客観的に物事見据えること。自分が正しいというのは思い込み。何が正しいのかを判断しないという理解が大事。
判断から自由になるためには
- 判断していることに気づく
- 自分は自分と考え、他人が判断をしていても自分は判断を手放すと決めること
- 素直になる。
自分は正しいという思い込みを持つと、何かあった時に自分が否定されたという妄想に囚われてしまう。そうした思いを捨てて、素直でいようとする方向性をもつだけでいい。
どんな時も自分を否定しない
自分を否定する判断は苦しみを生んでいるし、妄想にすぎず不合理。
ただ自分を肯定し、その時やれることをやるのみ。
- 散歩をして、五感をフルに使って感覚に意識を向ける。
頭を占領していた苦悩は、感覚に意識が向いているときにはなくなる。 - 執着から一歩離れて外の世界を見渡す。
記憶、妄想などに執着している間はそれが全てに思えてしまう。一点に囚われている心に気づいて外を見渡したとき、否定的判断は消えている。 - ただ肯定する言葉をかける。「私は私を肯定する」と唱える。
自分の正しさを押し付けない
反応しないことが最高の勝利。人間の喧嘩は「自分が正しい」という思いのぶつかり合い。「あなたにとってはそれが正しいのですね」という他人理解。
目の前にありもしない「記憶」に反応している自分に気づこう。
他人の目から自由になる
他人の目が気になる心理の正体は、承認欲が作り出す妄想。
他人が評価するかどうかは他人が決めること。自分ができることは、集中、改善、納得。
どんな思いも妄想に過ぎず、際限がないし根拠もない。何が浮かんでも反応しないと覚悟すること。
欲求をモチベーションとして活用する
幸せになりたければ快の反応は大事にしていい。欲求をエネルギーに変えて快を感じる生き方は合理的。自分が快を感じる限りは欲求を大切にしていい。もし、欲が膨らんで焦りや不安につながるときは、その欲求は一度手放そう。
毎日の快を大切にして素直に感じ取れるように務めると、快はもっとはっきり鮮明に感じ取れるようになる。
正しい競争とは
競争も求める心。何かを手に入れれば満たされるという欲と、もっとという貪欲。
勝ち負け、優劣などの価値観や情報はすべて妄想。
もっとできるはずの自分は、妄想の中にしか存在しない。人は弱さもあるし、妥協もする。そうした自分もありのままの自分として受け入れることが大事。
そして、どんな自分も無条件で受け入れ、どんな時も自分を肯定する。
人にはそれぞれの役割がある。他人の成功や能力を自分が果たす必要はない。
自分にできることはなんだろうか、自分が貢献できるところはどこだろうか。
終わりに
気になるキーワードがあった方はぜひ読んでみてください。